COLUMN
コラムトンネル工事がきつくないと言ったら、ウソになるでしょう。しかし、きついからこそ給与や福利厚生は優遇されています。そうしないと働く人が集まらないので。
そして、派遣でも社員でも、キャリアアップするほど働く条件は向上していきます。
資格もキャリアも一生ものです。特に派遣で施工管理として働くなら、キャリアアップこそが自分の市場価値を高めると考えてください。
この記事では、トンネル工事で施工管理として働くための予備知識と、キャリアアップするための方法について紹介しますのでぜひ参考にしてください。
派遣としてトンネル工事で働くことを検討している方のために、トンネル工事の仕事内容を紹介します。
トンネル工事の目的は、通行と通水です。
通行用トンネルは、鉄道や自動車道を通すために、山や峠の地山や岩盤を掘削してつくられます。
カーブや勾配をできる限り緩やかにして、換気設備や非常用施設も設置します。
通水用トンネルは、水力発電の取水、上下水道の送水、地下河川の放水を目的としてつくられるトンネルです。
地下街や地下駐車場をつくるときは、トンネル工事の技術が応用されています。
トンネルの設置場所は、山岳、都市、海底の3つに分けることができます。
山間部に山を貫通するように掘削してつくられます。3車線や歩道のある大断面化が進んでいて、環境対策も重要となっています。
建物や道路の地下、滑走路の地下などに設置されるのが都市トンネルです。地下鉄のほとんどの部分も都市トンネルです。
海底を掘削してつくられる海底トンネルは、全国に5つあります。関門鉄道トンネルは世界初の海底鉄道トンネルで、青函トンネルは世界で2番目に長い鉄道トンネルです。
トンネル工事には、さまざまな施工方法がありますが、代表的な3つを紹介します。
発破を使って掘削し細かくなった土砂(ズリ)を搬出しながら壁をつくる
シールドマシン(掘削機械)やスクリューコンベアなど各種機械を用いる
TBM(トンネル・ボーリング・マシン)で高速掘進する工法
TBM工法は、従来のシールドマシンを巨大化させた掘削機械です。高速掘進だけでなく、掘削面が完成断面に近い精度があるため、コスト削減ができます。
施工管理者としてスキルアップしていくには、第一に日常業務を理解することと、現場で経験を積み重ねてスキルを磨くという覚悟が重要になります。
トンネル工事での施工管理者の日常業務のポイントは、情報共有システムや電子納品に関する理解です。
トンネル工事は、ほとんどが国や自治体からの発注です。
なかでも国や都道府県の工事では、すべての工事書類は情報共有システム上で電子的に発注者と共有します。工事完成図書は電子納品です。
CAD製図やデジタル写真、出来形図などについて、日常的に整理しておく必要があります。
施工管理では、工程・原価・品質・安全の4つの管理と、この4つを踏まえた総合的な管理が求められます。 この管理の過程も結果も、電子的に可視化しなければならないことを覚えておいてください。
派遣の施工管理者は、発注者と雇用会社という2つの視点から評価されます。
評価を上げるための材料は、現場の中にしかありません。現場でもまれてスキルを磨くということが、そのまま自分の評価を上げていく種になるのです。
ここからは長年工事に携わってきた人間の主観が入り混じっています。
発注者は、基本的に減点方式だと捉えてください。施工管理者の持ち点は最初100点で、何かあるごとに減点されていくイメージです。
雇用会社が一番重要視するのは、原価管理です。当初の実行予算通りの利益が確保されているかがポイントになります。
現場でスキルを磨くという覚悟のある人は、少しくらいのことではへこたれないはずです。
評価を上げ、雇用継続をオファーされるためのヒントは、現場の中にあります。それはトンネル工事でも、他の工事でも変わりません。
情報共有システムや電子納品のための日常業務と、現場第一主義は車の両輪です。どちらが欠けても前に進むことはできなくなります。
慣れなくて苦労するときは、身近にいる仕事の達人を見つけて真似することです。しつこく思われない程度にその人を観察しましょう。
これが意外と、早く仕事を覚えるコツになります。
050-5482-3847
受付時間 9:00〜18:00