COLUMN
コラム建築施工管理技士してマンション新築工事に初めて派遣される方へ、マンションの建設現場ってどんなところか、注意することは何かお話します。
マンションは工場や倉庫等と違い高さのある建物で、小部屋が多くなります。
他用途の建設現場に比べて上下移動(階段や足場を使用することが多い)はもちろん、とにかく歩数が格段に多くなります。
躯体工事も続きコンクリート打設も繰り返しますので、押さえを待つための残業が続くことも考えられます。社会人として当たり前のことではありますが、体調管理はもちろんのこと、日頃から基礎体力を付けておくことが大切です。
マンションの現場は工期が長く、同じ工程をフロアごとに繰り返していきますので、職人さんとの付き合いが他の現場に比べて長いため、親しくなることができます。
またマンションの現場あるあるですが、内装工事も終わり内覧会が近づくと『補修屋』と呼ばれる職種が入ります。この補修屋は女性の職人さんも多く、首都圏の現場では美大生なんかがアルバイトしていることもあります。補修屋はフローリングや建具、家具についた小キズをその名の通り補修して見えなくしてくれるプロ集団です。
マンションの床仕上げはフローリングがほとんどですが、一部長尺シートを使用する部屋があると思います。(例:トイレ・台所・脱衣等)施工管理の経験が長い人にとっては常識ですが、初めて挑戦する方向けなのでお話しさせてください。長尺シート仕上げになる部分のスラブへの墨出しは朱墨・油性ペン・スプレーの使用は絶対にNGです。スラブに書いたものなら見えなくなるよね?と思ったあなた、要注意です。月日が経過し、約1年であなたがスラブに書いてしまった墨が長尺シート表面に浮き出てきてしまいます。大きなクレームに繋がりかねませんので気をつけてください。クレーム後の修繕対応も大変な工事となります。
インテリアフロア工業会加盟会社が、汚染が浮き出にくいマーキングペンとして推奨品を紹介していますので、そちらを使用してください。詳細はインテリアフロア工業会のホームページをご確認ください。
地方条例で更に細かく規定されている場合がありますが、ベースとなる建築基準法施行令第119条では廊下の幅について次のように定められています。
共同住宅の住戸若しくは住室の床面積の合計が100m2をこえる階における共用のものは、両側に居室がある廊下における場合1.6m以上、その他の廊下における場合1.2m以上とする。
この寸法は有効幅であるということに注意が必要です。躯体の施工図チェックの際、仕上げ代(特にタイルの場合)や手すりの出代を含めても有効幅が確保されているか、忘れずに確認してください。
マンションの建設現場の施工管理に初めて挑戦する方への激励の気持ちを込めて、現場の様子や施工管理のポイントをまとめました。デベロッパーや住人の方によって、仕上げや間取りが違い管理も複雑になりますが、その分多くの住戸を見ることができる面白さにも繋がります。また現場の職員、職人さんとの一体感も生まれ、竣工した際には大きな達成感も味わえます。初挑戦には何事もプレッシャーや緊張がつきものですが、マンションの現場を経験することは、今後のステップアップとしても重要なものとなります。ぜひチャレンジしてみてください。
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